暦(こよみ)とは?歴史や種類、暦注(れきちゅう)ついても解説

暦(こよみ)とは?歴史や種類、暦注(れきちゅう)ついても解説

暦(こよみ)とは、時間の流れを年・月・週・日という単位に当てはめて数えたもの。
暦書や暦表と呼ばれる暦を記載した表が、いわゆる「カレンダー」です。

また、暦は時間の流れをみるだけでなく、吉凶や運勢の占いにも用いられています。

暦はこれまでに太陽暦太陰暦太陰太陽暦などさまざまな基準が生まれ、世界で改暦が繰り返されてきました。

古くから私たちの身近にある暦ですが、意外とくわしく知らない方が多いんです。
そこでこの記事では、暦とはなにか、歴史や種類、意味をわかりやすく解説。

さらに、日時や方位の吉凶、その日の運勢がわかる「暦注(れきちゅう)」も紹介します。

ぜひ最後までお付き合いくださいね。

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    暦(こよみ)とは?


    暦(こよみ)とは?

    とは、時の経過を年・月・週・日の単位に当てはめて数えたものです。
    時間の流れを知るために、太陽の周期を基準にした「太陽暦」と、月の周期を基準にした「太陰暦」、太陽と月の周期を併用した「太陰太陽暦」で数えられます。
    現代世界で広く用いられているのは、太陽暦のひとつ「グレゴリオ暦」なんですよ。

    日本の暦は、太陰太陽暦を用いた「旧暦」と、太陽暦を用いた「新暦」の2種類。
    現代で公式に使用されているのは、新暦になります。

    また、暦には、年・月・週・日のほかにも、干支や旧暦での数え、その日の行事など、さまざまな情報が記されているんです。

    暦に記してある具体的な情報は、以下のとおり。

    • ・年
    • ・月
    • ・日
    • ・曜日
    • ・年中行事
    • ・六曜(ろくよう)
    • ・日の出、日の入りの時間
    • ・満潮、干潮の時刻
    • ・旧暦、和風月名(わふうげつめい)
    • ・二十四節気(にじゅうしせっき)
    • ・二十七宿(しちじゅうにこう)/宿二十八宿(にじゅうはっしゅく)
    • ・九星(きゅうせい)
    • ・十二直(じゅうにちょく)
    など…

    二十七宿/宿二十八宿」や「九星」、「十二直」については、なんのことかわからない方もいらっしゃるでしょう。
    どれも古代中国の思想がもとになった、その日の吉凶をみるものなんですよ。

    のちほど紹介する、暦注の項目でくわしく解説しますね。

    年月日だけでなく、行事や吉凶など、多くの情報が集約されている暦。
    いったいいつ頃発祥して、いつ私たちの生活に取り入れられたのでしょうか?

    次の項目では、暦の歴史を紹介します。

    暦(こよみ)の歴史や起源


    暦(こよみ)の歴史や起源

    暦の歴史は、紀元前3,000年頃の古代エジプトで「ナイル川の氾濫の時期に周期性がある」と人々が気づいたことにはじまります。

    この頃は、決まった時期になると東の空に恒星・シリウスの輝きが観測できていました。
    人々は、シリウスが見えはじめる日を夏至と定め、そこから365日を1年周期とした太陽暦の起源「シリウス暦(エジプト暦)」を作りだしたのです。

    その後、紀元前46年の古代ローマにて、シリウス暦(エジプト暦)の暦のズレを、4年に一度1日増やす閏年(うるうどし)によって補正した「ユリウス暦」が作られました。

    ユリウス暦は、約1,600年の間広く使われていたのですが、128年間に1日狂うことが後に判明。
    西暦1,582年に、ローマの法王グレゴリウス13世が、ユリウス暦で発生した13日間のズレを修正し、現代でも世界で広く使用される「グレゴリオ暦」を作ったんです。

    グレゴリウス13世が新しく暦を作ったのは、正確な暦でキリスト教の権威を取り戻すためだったといわれています。
    当時の暦は、法王や権力者が、民を支配する象徴だったんですよ。

    アジアでは、紀元前1,500年頃に古代中国が、太陰暦をもとに十干十二支(じっかんじゅうにし)で数える暦を使用。

    さらに、暦と季節のズレを補正するために、1年の春夏秋冬を4つの季節にわけ、それぞれの季節を6等分した「二十四節気(にじゅうしせっき)」が定められました。

    その後、太陰暦を基準とし、太陽の動きを参考にして閏年を取り入れた太陰太陽暦が使われはじめ、1,912年頃まで中国暦として使用され続けたんです。

    中国をはじめとしたユーラシア大陸のほとんどの地域で、太陰太陽暦が長く続きました。
    これには、月の満ち欠けや潮の満潮・干潮が、洪水・氾濫の予見に役立つことや、漁民が航海時に重宝する情報だったという背景があります。

    日本においては、690年に朝鮮半島から伝えられた中国渡来の太陰太陽暦が採用されました。
    しかし、1685年には日本人の手によって暦のズレを修正し作られた和暦、貞亨暦(じょうきょうれき)に改暦されます。

    それから数度にわたり、日本人は太陰太陽暦をもとに独自の暦を作りますが、明治5年に西洋のユリウス暦に改暦。
    明治31年に、現在まで使用されるグレゴリオ暦が採用されたんですよ。

    暦(こよみ)の種類


    暦(こよみ)の種類

    暦は、古代エジプトで発祥してから、国や宗教によって、さまざまな種類が作られました。
    過去から現代まで暦は数多く誕生しましたが、どれも3つの暦法を基準にしたものです。
    この項目では、暦の基準となる3つの暦法を紹介します。

    また、日本の旧暦と新暦についても解説しますので、参考にしてください。

    太陽暦(たいようれき)

    太陽暦とは、地球が太陽の周りをまわる周期を基準に作られた暦法です。
    太陽暦では、太陽を基準に1年を365日として12ヶ月にわけて月日を数えます。

    しかし太陽の周期は、正確には1年で約365.242.289.44日(2015年 年央値)となるため、1年365日とすると4年で1日分のズレが生じる計算に…。
    このズレを補正するために、2月の日数を1日増加させる閏月が設けられたんです。

    古代エジプトでは歴史上かなり早い段階から太陽暦が使われており、現在世界中で使用されているグレゴリオ暦もこの太陽暦に該当します。

    • 【代表的な太陽暦】
    • ・ユリウス暦
    • ・グレゴリオ暦

    太陰暦(たいいんれき)

    太陰暦とは、月の満ち欠けを基準に作られた暦法です。
    太陰とは、月(天体)のことで、陰暦とも呼ばれます。

    月は地球に対して公転しており、その周期はほぼ一定で、周期の平均は2015年時点で約29.50589日。
    太陰暦では、1ヶ月が29日と30日の月をそれぞれ6回ずつ設けて、1年は364日となるんですよ。

    しかし、これだと1年につき0.36707日のズレがでます。
    そのため、3年に1回程度、1ヶ月29日の月に1日追加した355日の1年を設定。
    こうして1日を増やした1年が、閏年となりました。

    • 【代表的な太陰暦】
    • ・ヒジュラ暦(イスラム暦)

    太陰太陽暦(たいいんたいようれき)

    太陰太陽暦とは、月の満ち欠けをもとにした太陰暦を基準に、太陽周期の観点からなる閏月を用いて月日を定めた暦法。

    太陰暦は1年が約354日となり、太陽暦と比較して1年が約11日短い計算です。
    そこに太陽の周期を参考に閏月の要素を取り入れ、ズレを補正したのが太陰太陽暦となります。

    また、太陰太陽暦では実際の季節とのズレを補正するために、季節を1年で24分割したものを二十四節気とし、各月の分割点に季節名がつけられました。

    中国では、長らくこの太陰太陽暦が公式の暦法として使用されていたんですよ。
    現在も、中国では太陰太陽暦の正月を「旧正月」として祝う習慣が残っています。

    • 【代表的な太陰太陽暦】
    • ・中国暦
    • ・チベット暦
    • ・バビロニア暦
    • ・ユダヤ暦
    • ・ギリシア暦
    • ・アッティカ暦
    • ・ローマ暦
    • ・マケドニア暦
    • ・ヒンドゥー暦

    日本の「旧暦」と「新暦」について

    日本の旧暦は、前項目で紹介した太陰太陽暦になります。
    690年に中国渡来の太陰太陽暦が伝えられてから、和暦として使用されてきました。

    その後、1685年に暦のズレを修正し作られたのが貞亨暦(じょうきょうれき)という日本独自の太陰太陽暦です。

    明治5年になると、西洋から太陽暦のユリウス暦が伝わったことで改暦がおこなわれ、日本の公式暦法は太陰太陽暦から太陽暦に変更されました。

    このことから、改暦前まで使われた太陰太陽暦のことを「旧暦」と呼び、現在使用されている太陽暦のグレゴリオ暦を「新暦」と呼ぶようになったんですよ。

    日本が旧暦から新暦に改暦をしたのは、世界に基準を合わせるためというのが最大の理由とされています。
    一説では、旧暦のままだと約3年に一度閏月があり、給料を1ヶ月余計に払わなければならず、それを節約したかったからともいわれているんです。

    また、旧暦では、「1月、2月…」と数字で表すだけでなく、各月に漢字の月名がありました。
    これは和風月名といって、それぞれの月名に由来も存在します。

    日本では、古くから数字の月名とともに和風月名を併用してきたんですよ。
    現代でも、数字の月名と和風月名が記載されているカレンダーは少なくありません。

    旧暦における12ヶ月の月名と、その由来は以下のとおりです。

    月/名称由来
    1月/睦月(むつき)正月に一同が集まり睦ぶ(むつぶ/親しくする)月。
    2月/如月(きさらぎ)寒さが残っているため、衣を重ね着する(更に着る)月。衣更着(きさらぎ)とも呼ぶ。
    3月/弥生(やよい)木草弥生(きくさいやおい)しげる(草木がおおいしげる)月。
    4月/卯月(うづき)卯の花の月。
    5月/皐月(さつき)早苗(さなえ)を植える月。早月(さつき)とも呼ぶ。
    6月/水無月(みなづき)田に水を引く月のため、水の月(「無」は「の」を意味する)という。
    7月/文月(ふづき)稲の穂が実る月(穂含月/ほふみづき)のため。
    8月/葉月(はづき)木々の葉が落ちる月のため。葉落ち月(はおちづき)とも呼ぶ。
    9月/長月(ながつき)徐々に夜が長くなるので、夜長月(よながづき)と呼ばれる。
    10月/神無月(かんなづき)神の月(「無」は「の」を意味する)。
    一説では、出雲大社へ全国の神々が集まる月のため、各地の神が留守の「神無月」になるという。
    この際、出雲地方では10月を「神在月」と呼ぶ。
    11月/霜月(しもつき)冷えが増し、霜の降る月のため。
    12月/師走(しわす)年末年始へ向けての慌ただしさから、「師匠といえども趨走(すうそう、走り回る)する」といわれる月。

    暦の占い・暦注(れきちゅう)とは?運勢や吉凶はどうやって決まる?


    暦の占い・暦注(れきちゅう)とは?運勢や吉凶はどうやって決まる?

    暦注とは、暦に記されている日時や方位の吉凶、その日の運勢などの事項。
    暦注の吉凶や運勢は、主に陰陽五行説十干十二支にもとづいているんですよ。

    古い暦注の記述は、上段、中断、下段にわけられていました。
    そして、上段、中断、下段には、それぞれに異なる事柄が記されています。

    上段には日付、曜日、六曜、二十四節気、七十二候などの科学的な事柄や季節にくわえ、年中行事を記載。
    中段と下段には、選日・二十八宿・九星・暦注下段など、吉凶や運勢といった迷信的事柄を記すのが一般的です。

    また、暦注の日取りを決定する方法は、選日法(せんじつほう)といいます。

    暦注の項目を表にまとめてみましたので、参照してください。

    暦注内容
    祝日(しゅくじつ)国民の祝日。
    旧暦(きゅうれき)太陽暦が導入される前まで日本の公式暦法だった太陰太陽暦の暦。
    六曜( ろくよう、りくよう )日に吉凶を割り当てたもの。
    干支(えと)十干と十二支の60通りある組み合わせを周期とする数詞。
    雑節(ざっせつ)二十四節気や五節句以外の季節を表すもの。
    月齢(げつれい)月の満ち欠けの経過を日単位であらわしたもの。
    九星(きゅうせい)運勢・相性・方位を占うために使用する九つの星のこと。
    二十七宿(にじゅうしちしゅく)インド占星術・天文学をもとにした星宿の分割法のひとつ。
    二十八宿(にじゅうはっしゅく)中国の天文学・占星術をもとにした星宿の分割法のひとつ。
    十二直(じゅうにちょく)北斗七星の動きを日々の吉凶に当てはめたもの。
    暦注下段(れきちゅうげだん)日々の吉凶をあらわしたもので、暦の下段に記されている。
    二十四節気(にじゅうしせっき)1年を春夏秋冬にわけ、さらにそれぞれを6つにわけたもの。
    七十二候(しちじゅうにこう)古代中国で考案された季節をあらわす方式。
    選日(せんじつ)どのカテゴリにも属さないものの総称。

    暦注には、科学的な事柄と、吉凶や運勢などの迷信的な事柄が記してあるとお伝えしました。

    今回は、暦注の日時や方位の吉凶、その日の運勢に関わる項目をくわしく紹介したいと思います。

    六曜(ろくよう)

    六曜とは、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という6つ種類によって、その日の吉凶をあらわすもの。

    結婚式の日や結納は大安に、葬式は友引を避ける」など、現代でも冠婚葬祭の際は六曜の吉凶を重視しているんですよ。

    六曜概要
    先勝(せんしょう)・早くことをすませるのがよいとされる日。
    ・「先んずれば即ち勝つ」を意味する。
    ・午前は吉で、午後は凶。
    友引(ともびき)・勝負の決着がつかないとされる日。
    ・「共引き」を意味する。
    ・朝晩は吉、昼は凶。
    ・禍いが友にも及ぶという意味は、陰陽道の「友引日」と混同されたと考えられている。
    先負(せんぷ)・急用は避けるべきとされる日。
    ・争いを避け、平静を守るのがよいとされる。
    ・午前は凶、午後は吉。
    仏滅(ぶつめつ)・六曜の大凶日で、万事が凶とされる。
    ・仏の功徳もないという意味。
    ・「いったん滅び、新しいことがはじまる」とされ、新しいものごとをはじめるにはよい日という解釈もある。
    大安(たいあん)・六曜の中で最も吉とされる日。
    ・「大いに安し」の意味。
    ・婚礼や建物の棟上げなど、なににおいてもよしとされる。
    赤口(しゃこう)・牛の刻(午前11時〜午後1時)を除いて凶とされる日。
    ・「赤」という字がつくため、火のもとや刃物に気をつけるべきとされる。

    二十七宿(にじゅうしちじゅく)

    二十七宿とは、インド占星術・天文学をもとにした星宿分割法のひとつです。
    月のとおり道である白道を、27に分割して名称を与えたもの。

    実はこの二十七宿、江戸時代初期に改暦された際、廃止となってしまいました。
    その代わりに、中国由来の二十八宿が取り入れられるようになったんですよ。

    二十七宿では、27分割された宿にその日の吉凶が記されており、生まれた日と照らし合わせて性格が占えます。

    宿名日の吉凶生まれた人の性格
    畢宿(ひっしゅく)農作業、田畑や住宅の修理や橋や道の修理、用水路を造るなど土木工事関連に吉。
    借金や出費、(穀物などでの)納税に凶。
    ・財産や子どもに恵まれる。
    ・聡明で、施しを好んでおこなう。
    ・頑固なところがあり、口数は少ない。
    ・ゆったりした動作で、礼儀正しい振る舞いをする。
    觜宿(ししゅく)舎屋の建造、部屋の内装の整え、結婚、星の災いを除く為の修法などに吉。・道徳心が高く、慎み深い。
    ・薬に頼りがち。
    ・無口で、軽はずみな行動はしない。
    ・他人を思いやり、法を重んじる。
    参宿(しんしゅく)財産を得る、地面に穴を掘る、乳製品を造ることや油を搾ること、酒の醸造等に吉。また、あらゆる剛猛の事柄に吉。・荒々しく、悪事も平気で起こす。
    ・怒りっぽくて口が悪い。
    ・一度決心したことは、迷うことなく必ずやりとげる。
    井宿(せいしゅく)慈善をおこなうとよい結果になる。また神を祀ること、結婚・結納に吉。
    薬の服用に凶。
    ・お金の出入りが激しい。
    ・尊敬を集めたり称賛を受けることが好きで、出世欲も強い。
    ・病気がちだが、子どもには多く恵まれる。
    ・軽率で人情味に欠ける面もあり。
    鬼宿(きしゅく)あらゆることに吉。とくに名誉や長寿を求める、官位を受ける、宗教への入信や奥義を学ぶ事柄に吉。・最も恵まれた生まれ。
    ・見た目も端正で、心にも邪なところがない。
    ・配偶者にも恵まれる。
    柳宿(りゅうしゅく)逆賊の征伐、敵城を攻めるなど、剛猛の事柄に吉。・眠たげな顔つきをしていても、内心は強情で怒りっぽい。
    ・人を欺くことがある。
    ・施しを好む反面、他人の物を奪うこともある。
    ・物事に熱中しやすい。
    星宿(せいしゅく)建物の修理、種まきに吉。ただし五穀の種まきには不向き。・財産に恵まれる。
    ・知性的で評判がよいが、悪知恵も働く。
    ・信心深く、神を祀る。
    張宿(ちょうしゅく)慶事に吉。結婚、住宅の修理、官職を受ける、衣服を作る、師僧から奥義を学ぶ事柄などに吉。・配偶者には恵まれますが、子どもは少ない。
    ・言葉づかいが巧みで人の心を掴み、人に愛される。
    ・自分自身ではあまり財産を築かないが、相続などで財産を譲り受ける。
    ・知恵は回るが、あまり実行には移さない。
    翼宿(よくしゅく)あらゆることに吉。特に不動産・土木、農業などに関する事柄によい。・乗り物に乗ることや、音楽を好む。
    ・言葉遣いは穏やか。
    軫宿(しんしゅく)急速のことに吉。また、外国など遠方への旅、衣裳の修理、技芸を学ぶ、結婚、田畑の開墾などに吉。・財産を築く。
    ・旅や乗り物に乗ることが好き。
    ・嫉妬深いところがある。
    ・器用で物事を手際よくこなす。
    ・あまり病気はしない。
    角宿(かくしゅく)晴れがましいこと全般に吉。豪華な衣裳を作るなど。また、行軍、観兵式、軍功のあった将兵に褒賞を与える事柄などに吉。・教典などをよく学ぶ。
    ・動物を多く飼う。
    ・手先が器用で、人情に厚い。
    ・子どもは、男子3人に恵まれる。
    亢宿(こうしゅく)象や馬など家畜の調教、結婚、交流、種蒔きなどに吉。・行動が早く、言葉が巧み。
    ・資産を形成し、家を繁栄させる。
    氐宿(ていしゅく)穀物や果樹の種蒔き、酒の醸造に吉。
    建物の増改築、乗り物を動かすことに凶。
    ・信心深く、神仏を祀る。
    ・目上の人から可愛がられ、恩恵を受ける。
    ・善良で知性的。
    房宿(ぼうしゅく)結婚などの慶事に吉。また宗教への入信や奥義を学ぶ事柄に吉。・威厳がある。
    ・子どもや財産に多く恵まれ、家を栄えさせる。
    心宿(しんしゅく)王侯が物事をおこなうことに吉。神仏に祈ることや官位を受けること、象や馬などの家畜を調教したり乗ったりするのに吉。
    散財や借金に凶。
    ・運がよい。
    ・多くの人々に愛され、上司など目上の人に厚遇される。
    ・悪事を許せず、善行を称賛する性格。
    尾宿(びしゅく)沐浴や呪術、住宅の修理、薬の調合、入信儀式などに吉。・食べ物や財産に恵まれる。
    ・頑固で闘争を好むところがある。
    ・他の人から財産を得る。
    箕宿(きしゅく)池や溝を掘るなど水に関する事柄に吉。また花や薬草の種蒔き、田畑の修理、酒の醸造に吉。・商才があるため金儲けは得意。
    ・相手に尽くす精神があり、人のための苦労をいとわない。
    ・お酒や女を好む。
    ・やや病気がち。
    斗宿(としゅく)衣服の新調、木の手入れ、乗り物や武器を造る、倉庫を建てるなど不動産に関する事柄に吉。・乗馬や野山にいくことが好き。
    ・神仏を祀ったり、願掛けを好む。
    ・友人にも恵まれ、器用で才能もあるので金持ち。
    女宿(じょしゅく)公共事業など公の事柄に吉。また、技芸を学ぶ、髪を整える、按摩などに吉。
    衣服の新調に大凶、死に至る場合もあるとされる。また、争いごとに凶。
    ・病気になりにくく健康に恵まれる。
    ・奉仕を好み、法と秩序を重んじ勤勉。
    ・祖先を敬う。
    虚宿(きょしゅく)あらゆる急速の事柄に吉。また学問を修め、沐浴をし、子授けの祈祷を受けるのに吉。また僧や神官への布施、城を築く、兵士を配する、衣服を新調し着飾る事柄などに吉。・食べ物や財産に困らない。
    ・目上の人から可愛がられる。
    ・信心深く、神を祀るのを好む。
    ・一生幸せに過ごせる。
    危宿(きしゅく)薬の服用や調合など、病気への対処に大吉。池を造ることや麻の種蒔き、行商に出る、造船や酒の醸造などに吉。・お酒や異性関係におぼれることがある。
    ・物怖じしない性格で打たれ強いが、怒りっぽいところもある。
    ・人づきあいはあまり長続きしない。
    ・医学や薬学に適性がある。
    室宿(しつしゅく)剛猛の事柄に吉、罪人の取り調べや逃亡者を捕らえることなどに吉。
    それ以外は凶。
    ・猛々しく怒りっぽい性格。
    ・略奪を好み、無慈悲。
    壁宿(へきしゅく)都市を築く、結婚、長寿や福徳繁栄を祈って修法をおこなうのに吉。
    南の方角に行く事柄は凶。
    ・目上の人から可愛がられる。
    ・子どもに多く恵まれる。
    ・慎み深い性格で、布施を好み神々や先祖を敬う。
    ・学問をよく修める性格。
    奎宿(けいしゅく)倉庫や畜舎を建てる、家畜を数える、酒や乳製品を作る、着飾る、遠方に出かける事柄に吉。・家業を受け継いで成功し、財を成す。
    ・金の出入りが激しく遊び好き。しかし、最終的にはさらに財を得る運勢。
    ・子孫や 財産に恵まれ、教典にも精通している。
    婁宿(ろうしゅく)あらゆる急速の事柄に吉。また薬の服用や馬などの家畜の調教などに吉。・多芸多才。
    ・病気になりにくく、医術の才能もある。
    ・土地や使用人を多く持ち、目上の人にはまじめに仕える。
    ・奉仕を好む。
    ・人付き合いはそう悪くないが、親密になりにくい。
    胃宿(いしゅく)あらゆる剛猛の事柄に吉、逆賊の征伐や悪巧みを暴くなど。また王侯が善行をおこなうのに吉。・頑固者で短気、性悪なところがある。
    ・酒や肉を好む。
    ・嘘つきで、他人の物を奪い乱暴者で敵が多い反面、子孫や使用人、部下に多く恵まれる。
    昴宿(ぼうしゅく)調理等で火を使う、家畜を数える、薬の調合、畜舎を建てる、悪人や逆賊を征伐する、頭髪を剃る事柄などに吉。
    旅行などには凶。
    ・善行を心がけている。
    ・学問に励み、身なりもきちんとしている。
    ・強情なところがあり、口がうまい。
    ・多くの子どもに恵まれる。
    ※一部Wikipediaより引用(二十七宿

    二十八宿(にじゅうはっしゅく)

    二十八宿とは、地球の赤道を天まで延長した「天の赤道」付近を、28のエリア(星宿)で不均等に分割したものです。
    中国の天文学・占星術をもとにした星宿分割法のひとつになります。

    二十八宿は、もともと月や太陽など天体の位置を観測し、季節を知るためのものでした。
    それが、やがて吉凶を占うものとして活用されるようになったんですよ。

    二十八宿の宿はグループにわかれており、それぞれ青龍・玄武・白虎・朱雀という神獣の名前がついています。
    暦注で日の吉凶を示す際はいくつかの解釈が存在しており、今回紹介するのはその一例です。

    グループ宿距星吉凶
    東方青龍角宿(すぼし)おとめ座α星着はじめ・柱立て・普請造作・結婚に吉。葬式に凶。
    亢宿(あみぼし)おとめ座κ星衣類仕立て・物品購入・種まきに吉。造作に凶。
    氐宿(ともぼし)てんびん座α星結婚・開店・結納・酒造りに吉。着はじめに凶。
    房宿(そいぼし)さそり座π星髪切り・結婚・旅行・移転・開店・祭祀に吉。
    心宿(なかごぼし)さそり座σ星祭祀・移転・旅行・新規事に吉。造作・結婚に凶。盗難注意。
    尾宿(あしたれぼし)さそり座μ星結婚・開店・移転・造作・新規事に吉。着はじめ・仕立てに凶。
    箕宿(みぼし)いて座γ星動土(土動かし)・池掘り・仕入れ・集金・改築に吉。結婚・葬式に凶。
    北方玄武斗宿(ひきつぼし)いて座φ星土掘り・開店・造作に吉。
    牛宿(いなみぼし)やぎ座β星移転・旅行・金談など全てに吉。
    女宿(うるきぼし)みずがめ座ε星稽古はじめ・お披露目に吉。訴訟・結婚・葬式に凶。
    虚宿(とみてぼし)みずがめ座β星着はじめ・学問はじめに吉。相談・造作・積極的な行動に凶。
    危宿(うみやめぼし)みずがめ座α星壁塗り・船普請・酒造りに吉。衣類仕立て・高所作業に凶。
    室宿(はついぼし)ペガスス座α星祈願はじめ・結婚・祝い事・祭祀・井戸掘りに吉。
    壁宿(なまめぼし)ペガスス座γ星開店・旅行・結婚・衣類仕立て・新規事開始に吉。
    西方白虎奎宿(とかきぼし)アンドロメダ座ζ星開店・文芸開始・樹木植替えに吉。
    婁宿(たたらぼし)おひつじ座β星動土(土動かし)・造作・縁談・契約・造園・衣類仕立てに吉。
    胃宿(えきえぼし)おひつじ座35番星開店・移転・求職に吉。
    昴宿(すばるぼし)おうし座17番星神仏詣で・祝い事・開店に吉。
    畢宿(あめふりぼし)おうし座ε星稽古はじめ・運搬はじめに吉。造作・衣類着はじめに凶。
    觜宿(とろきぼし)オリオン座λ星稽古はじめ・運搬はじめに吉。造作・衣類着はじめに凶。
    参宿(からすきぼし)オリオン座ζ星仕入れ・納入・取引開始・祝い事・縁談に吉。
    南方朱雀井宿(ちちりぼし)ふたご座μ星神仏詣で・種まき・動土(土動かし)・普請に吉。衣類仕立てに凶。
    鬼宿(たまおのぼし)かに座θ星婚礼のみ凶。他の事には全て吉。
    柳宿(ぬりこぼし)うみへび座δ星物事を断るのに吉。結婚・開店・葬式に凶。
    星宿(ほとおりぼし)うみへび座α星乗馬はじめ・便所改造に吉。祝い事・種まきに凶。
    張宿(ちりこぼし)うみへび座υ星就職・見合い・神仏祈願・祝い事に吉。
    翼宿(たすきぼし)コップ座α星耕作はじめ・植え替え・種まきに吉。高所作業・結婚に凶。
    軫宿(みつかけぼし)からす座γ星地鎮祭・落成式・祭祀・祝い事に吉。衣類仕立てに凶。
    ※一部Wikipediaより引用(二十八宿

    十二直(じゅうにちょく)

    十二直は、北斗七星の動きを吉凶判断に使用したもので、建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉という12種類の配当があります。

    北斗七星は、古代から畏敬の念をもってみられていた星座のひとつ。
    そんな北斗七星の、柄杓型の柄の部分が北極星を中心に回転することから、十二支の方位と組み合わさり十二直が作られたんです。

    十二直は、一般的にその日の運勢を示します。
    また、「直」には「当たる」という意味があり、十二直は暦注のなかでもよく当たると信じられていました。

    十二直意味吉凶
    建(たつ)万物を建て生じる日すべてにおいて大吉。ただし、動土(土動かし)、蔵開きは凶。
    除(のぞく)障害を取り除く日井戸掘り、治療開始、祭祀などは吉。結婚、動土(土動かし)は凶。
    満(みつ)全てが満たされる日新規事、移転、結婚などは吉。動土(土動かし)、服薬は凶。
    平(たいら)物事が平らかになる日旅行、結婚、道路修理などは吉。穴掘り、種まきは凶。
    定(さだん)善悪が定まる日開店、結婚、移転、種まきは吉。旅行、訴訟は凶。
    執(とる)執り行う日祭祀、祝い事、造作、種まきは吉。金銭の出入りは凶。
    破(やぶる)物事を突破する日訴訟、出陣、漁猟、服薬は吉。祝い事、契約事は凶。
    危(あやぶ)物事を危惧する日万事控えめに。
    成(なる)物事が成就する日新規事、建築、開店は吉。訴訟、談判は凶。
    納(おさん)物事を納め入れる日収穫、商品購入は吉。結婚、見合いは凶。
    開(ひらく)開き通じる日建築、移転、結婚等は吉。葬式は凶。
    閉(とづ)閉じ込める日金銭出納、建墓は吉。棟上げ、結婚、開店は凶。
    ※一部Wikipediaより引用(十二直

    九星(きゅうせい)

    九星とは、古代中国から伝わった吉凶を占う民間信仰で、一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫という9つの種類があります。
    九星の「星」は星座の星ではなく、「気(エネルギー)」のことを意味しており、天文学とは関係ありません。

    日本においての九星は、陰陽道をとおして広がりました。
    陰陽道では、数字を7つの色、木・火・土・金・水の五行、十干十二支、八卦に割り当てた九星図を作成し、運勢や方位の吉凶を占います。

    大正42年には、九星を簡略化して方位に関する要素を強くした占いの「九星気学(きゅうせいきがく)」が作られ、一般庶民に広まったんですよ。

    九星五行方位八卦
    一白水星(いっぱくすいせい)
    二黒土星(じこくどせい)西南
    三碧木星(さんぺきもくせい)
    四緑木星(しろくもくせい)東南
    五黄土星(ごおうどせい)中央太極
    六白金星(ろっぱくきんせい)西北
    七赤金星(しちせききんせい)西
    八白土星(はっぱくどせい)東北
    九紫火星(きゅうしかせい)
    ※一部Wikipediaより引用(九星

    暦注下段(れきちゅうげだん)

    暦注下段とは、日々の吉凶を示した暦注で、暦の最下段に記されるため「下段」と呼ばれます。

    内容は科学的根拠のない迷信的な要素が多く、旧暦から新暦へと改暦される際には、朝廷・政府によって3回も禁止令が出されました。
    しかし、庶民に強く支持されていた暦注下段の考えは、禁止されてもなお根強く残り、現代では自由に使用できるようになったんですよ。

    七箇の善日(ななこのぜんにち)

    七箇の善日とは、天赦日、神吉日、大明日、鬼宿日、天恩日、母倉日、月徳日という7つの吉日の総称です。

    各吉日の詳細は、以下で説明します。

    天赦日(てんしゃにち、てんしゃび)

    天赦日とは、「百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日」といわれる、最上の大吉日。
    万事がよいという意味で、「万(よろづ)よし」とも注記されます。

    なお、天赦日は季節と日の干支によって決まり、年に5回、もしくは6回あるんです。

    季節日の干支
    立春から立夏の前日まで戊寅の日
    立夏から立秋の前日まで甲午の日
    立秋から立冬の前日まで戊申の日
    立冬から立春の前日まで甲子の日

    神吉日(かみよしにち、かみよしび)

    神吉日とは、神社への参拝、祭事、祖先を祀るなど、神事に関する事柄が吉とされる日。
    他の暦注下段は中国の暦にもみられますが、神吉日は日本独自の暦注なんです。

    神吉日は、日の干支で決まり、33種類の干支に配当されます。

    • 【神吉日一覧】
    • 乙丑、丁卯、己巳、庚午、壬申、癸酉、丁丑、己卯、壬午、甲申、乙酉、戊子、辛卯、甲午、丙申、丁酉、己亥、庚子、辛丑、癸卯、乙巳、丙午、丁未、戊申、己酉、辛亥、壬子、乙卯、戊午、己未、庚申、辛酉、癸亥

    大明日(だいみょうにち)

    大明日とは、すべての吉事・善事が大吉とされる日。
    大明には、天地が開通して隅々まで太陽の日が照るという意味があります。
    そのため、とくに建築、移転、旅行、婚礼によいとされる日なんですよ。

    大明日は、日の干支で決まり、25種類の干支に配当されます。

    • 【大明日一覧】
    • 己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉、丁丑、己卯、壬午、甲申、丁亥、壬辰、乙未、壬寅、甲辰、乙巳、丙午、丁未、己酉、庚戌、辛亥、丙辰、戊午、己未、庚申、辛酉

    鬼宿日(きしゅくび)

    鬼宿日とは、「鬼が宿にこもる日」といわれ、悪事を働く鬼が外にいない吉日とされています。
    また、お釈迦様が生まれた日でもあり万物がよいとされていますが、婚礼に関しては凶。

    鬼宿日は、二十八宿の「鬼宿」と同じものです。

    天恩日(てんおんにち、てんおんび)

    天恩日とは、名前のとおり「天の恩恵を受ける日」を意味する、万事が成長しやすい吉日。
    祝い事には最適な日ですが、葬儀などの凶事は避けるべき日となります。

    また、天恩日には一度巡ってくると5日続き、受死日と重なると効果が打ち消されてしまうんですよ。

    天恩日は、日の干支で決まり、15種類の干支に配当されます。

    • 【天恩日一覧】
    • 甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未、己酉、庚戌、辛亥、壬子、癸丑

    母倉日(ぼそうにち)

    母倉日とは、「母が子を育てるように、天が人をいつくしむ日」という意味で、何事にも吉、とくに婚礼には大吉となる日。
    また、土木・建築も吉です。

    母倉日は、節月(二十四節気の節気で区切る)から日の干支で決まり、以下のような配当になります。

    日の干支
    1月、2月子、亥の日
    4月、5月寅、卯の日
    7月、8月丑、辰、未、戌の日
    10月、11月申、酉の日
    3月、6月、9月、12月巳、午の日

    月徳日(つきとくにち、がっとくにち)

    月徳日とは、月ごとの福をつかさどる日。
    万事がよしとされる日ですが、とくに土木・建築が吉です。

    月徳日は、節月(二十四節気の節気で区切る)から日の干支で決まり、以下のような配当になります。

    日の干支
    1月、5月、9月丙の日
    2月、6月、10月甲の日
    3月、7月、11月壬の日
    4月、8月、12月庚の日

    三箇の悪日(さんがのあくにち)


    三箇の悪日とは、大禍日(たいかにち)、狼藉日(ろうしゃくにち)、滅門日(めつもんにち)という3つある凶日の総称。

    三箇の悪日は、生まれた年の十二支によって選日が異なるという特徴をもっています。
    また、近年の暦では、生年に関係なくすべての人にとって凶日となるものもあるんですよ。

    節月(二十四節気の節気で区切る)から日の干支で決まり、配当は以下のとおり。

    生年大禍日狼藉日滅門日
    寅年生まれ1月亥の日子の日巳の日
    卯年生まれ2月午の日卯の日子の日
    辰年生まれ3月丑の日午の日未の日
    巳年生まれ4月申の日酉の日寅の日
    午年生まれ5月卯の日子の日酉の日
    未年生まれ6月戌の日卯の日辰の日
    申年生まれ7月巳の日午の日亥の日
    酉年生まれ8月子の日酉の日午の日
    戌年生まれ9月未の日子の日丑の日
    亥年生まれ10月寅の日卯の日申の日
    子年生まれ11月酉の日午の日卯の日
    丑年生まれ12月辰の日酉の日戌の日

    大禍日(たいかにち)

    大禍日とは、三箇の悪日のなかで最も悪い凶日。
    この日になにかをはじめると、争いのもとになってしまうんです。

    口は慎み、家の修理や建造、船旅、葬送はとくに避けるべきといわれています。

    狼藉日(ろうしゃくにち)

    狼藉日とは、万事が凶となる日で、日取りは天火日と同じです。
    この日になにをしても、必ず失敗する凶日とされています。

    滅門日(めつもんにち)

    滅門日とは、「滅門」という文字のとおり、一家一門が滅んでしまう凶日。
    そのため、滅門日には慎んで過ごすべきといわれているんです。

    受死日(じゅしにち、じゅしび)

    受死日とは、暦のなかでも最大の大凶日で、「受死日にはほかの暦注を一切みる必要がない」とされるほどの凶日なんです。
    この日に病気をすると、必ず死ぬとまでいわれています。

    病気見舞い、服薬、鍼灸、旅行がとくに凶とされますが、葬儀だけは差し支えないそうですよ。
    暦注で「●」と記されるため、「黒日」と呼ぶこともあります。

    受死日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まる、以下のような配当です。

    日の干支
    1月戌の日
    2月辰の日
    3月亥の日
    4月巳の日
    5月子の日
    6月午の日
    7月丑の日
    8月未の日
    9月寅の日
    10月申の日
    11月卯の日
    12月酉の日

    十死日(じゅうしにち)

    十死日とは、受死日に次ぐ凶日で、万事において凶。
    ただし、受死日と違い、葬式にも差し障りがあります。

    十死日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まり、酉・巳・丑の繰り返す以下のような配当です。

    日の干支
    1月酉の日
    2月巳の日
    3月丑の日
    4月酉の日
    5月巳の日
    6月丑の日
    7月酉の日
    8月巳の日
    9月丑の日
    10月酉の日
    11月巳の日
    12月丑の日

    五墓日(ごむにち)

    五墓日とは、5つの墓を意味する凶日。
    この日に葬儀をすると墓が5つ並ぶ(5人が死ぬ)といわれています。

    葬式、墓作り、動土(土動かし)、地固め、種まきなど、土にまつわるものにくわえ、旅行や祈祷が凶になるんです。
    ただし、家作りだけは差し障りありません。

    五墓日は、生まれ年の納音(なっちん)の性と、干支や日数によって決まります。
    近年では、生まれ年を区別しなくなっているようです。

    ※納音とは、十干と十二支を組み合わせた60とおりの干支に五行を当てはめ、それぞれに名称をつけたもの。

    納音日の干支
    木性の人乙丑の日
    火性の人丙戌の日
    土性の人戊辰の日
    金性の人辛未の日
    水性の人壬辰の日

    帰忌日(きこにち、きしにち、きこび、きこじつ、きいみび)

    帰忌日とは、里帰りや旅行帰り、お金や物の貸し借りなど、帰る(帰宅、返却など)に関することが凶となる日です。

    帰忌は天棓星(てんぼうせい)の精で、地上に降りては人家の門前で人の帰りを邪魔するといわれています。
    正倉院に納められている天平勝宝(749〜757年)の古い暦注にも「帰忌日、其日遠行、帰家、移徙(わたまし)、呼女、娶婦すべからず(意訳:帰忌日には遠出、移動、里帰りなどをするべきでない)」と記されているんですよ。

    帰忌日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まります。

    帰忌日日の干支
    1月、4月、7月、10月丑の日
    2月、5月、8月、11月寅の日
    3月、6月、9月、12月子の日

    血忌日(いみにち、ちいみび、ちこにち)

    血忌日とは、鍼灸、刑罰、狩猟といった血に関わることが凶となる日です。

    血忌は梗河星(こうかせい)の精で、殺伐の気をつかさどっています。
    そのため、血忌日には血をみることや、血に関わることに障りがあるといわれるんですよ。

    血忌日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まります。

    日の十干支
    1月丑の日
    2月未の日
    3月寅の日
    4月申の日
    5月卯の日
    6月酉の日
    7月辰の日
    8月戌の日
    9月巳の日
    10月亥の日
    11月午の日
    12月子の日

    重日(じゅうにち)

    重日とは、この日におこなうことは重なって起こるとされる日です。
    そのため、吉事には吉事が、凶事には凶事が重なるといわれています。

    お金を貯金するなど金銭に関係することは吉ですが、婚礼は再婚につながるためよくありません。

    重日は、陽が重なる巳の日と、陰が重なる亥の日に配当。また、月と日の数字が同じ日も重日とされます。

    復日(ふくにち、ぶくび)

    復日とは、重日と同じ効果があり、吉事をおこなえば吉が重なり、凶事をおこなえば凶が重なる日です。
    また、婚礼も、重日と同じで再婚につながるので凶。

    復日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まります。

    日の干支
    1月、7月甲、庚の日
    2月、8月乙、辛の日
    3月、6月、9月、12月戊、己の日
    4月、10月丙、壬の日
    5月、11月丁、癸の日

    天火日(てんかにち、てんかび)

    天火日とは、棟上げや屋根葺きなどをすれば、必ず火災が起こるとされる日です。

    五行では、火気を天火、地火、人火の3つにわけますが、なかでも天火はエネルギーの強い日。
    そのため、火災が起こるといわれているんですよ。

    また、家の修理や転居も凶とされます。

    天火日は節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まり、以下のような配当。これは、狼藉日とまったく同じ配当になります。

    日の干支
    1月、5月、9月子の日
    2月、6月、10月卯の日
    3月、7月、11月午の日
    4月、8月、12月酉の日

    地火日(ぢかにち、ちかび)

    地火日とは、天火日に対応しており、地火のエネルギーが強い日です。

    天火日の項目でもお伝えしましたが、五行の火気は、天火、地火、人火の3つにわけられます。
    このうちの地火は、火気が強い日とされているんですよ。

    地火日では、動土(土動かし)・定礎・柱建て・井戸掘り・種まき・築墓・葬式などが凶。

    地火日は節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まり、以下のような配当です。これは、十二直の「平」とまったく同じ配当になります。

    日の十二支
    1月巳の日
    2月午の日
    3月未の日
    4月申の日
    5月酉の日
    6月戌の日
    7月亥の日
    8月子の日
    9月丑の日
    10月寅の日
    11月卯の日
    12月辰の日

    凶会日(くえにち、くえび)

    凶会日とは、陰陽2つの気がうまく調和できず、万事に忌むべき日とされます。
    この日に、吉事や慶事をおこなうことは凶とされるんですよ。

    凶会日は、節月(二十四節気の節気で区切る)からの干支や日数で決まり、、以下のような配当。

    日干支
    1月辛卯、甲寅
    2月己卯、乙卯、辛酉
    3月甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、壬申、戊申、庚辰、甲申、甲辰、丙申、甲辰、庚申
    4月戊辰、辛未、癸未、乙未、己亥、丙午、丁未、戊午、己未、癸亥
    5月丙午、戊午
    6月己巳、丙午、丁未、丁巳、己未
    7月乙酉、甲辰、庚申
    8月己酉、乙卯、辛酉
    9月甲戌、辛卯、壬辰、癸巳、甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、庚戌、甲寅
    10月乙丑、己巳、丁丑、戊子、己丑、戊戌、己亥、辛丑、壬子、癸丑、丁巳、癸亥
    11月戊子、丙午、壬子
    12月戊子、丁未、壬子、癸亥

    往亡日(おうもうにち)

    往亡日とは、「往(ゆ)きて亡ぶ日」という意味で、遠出、移転、嫁入り、参拝など「往(ゆ)く」ことを凶とします。

    昔は、この日に軍を進めることや遠征することが忌まれていたんです。
    また、婚礼や参拝なども凶。

    往亡日は節月(二十四節気の節気で区切る)からの日数で決まり、以下のような配当になります。

    1月7日目
    2月14日目
    3月21日目
    4月8日目
    5月16日目
    6月24日目
    7月9日目
    8月18日目
    9月27日目
    10月10日目
    11月20日目
    12月30日目

    時下食(ときげじき)

    時下食とは、下食時(げじきどき)ともいい、特定の日時だけを忌むものです。

    時下食は、天狗星(てんこうせい)の精が、食事のため下界に降りてくる時間のこと。
    この時間に人間が食事をすると、食物の栄養がすべて天狗星の精に吸い取られてしまうほか、その残りを食べると災いがあるとされています。

    また食事のほかにも、種まき、俵を開ける、沐浴、草木を植えることも凶とされるんですよ。

    時下食の日と時間は、以下のような配当。
    たとえば、1月なら未の日、亥の刻が時下食になります。

    日、時刻
    1月未日亥刻
    2月戌日子刻
    3月辰日丑刻
    4月寅日寅刻
    5月午日卯刻
    6月子日辰刻
    7月申日巳刻
    8月酉日午刻
    9月巳日未刻
    10月亥日申刻
    11月丑日酉刻
    12月卯日戌刻

    歳下食(さいげじき、さいかじき)

    歳下食とは、時下食と同様に流星の一種である天狗星(てんこうせい)の精が食事のため下界に降りてくる日のこと。
    しかし、時下食と異なり、歳下食に時間は関係ありません。

    歳下食は暦注のなかでは軽い凶日で、暦注にほかの吉日があればとくに忌む必要はないとされます。
    ただし、凶日と重なると、より強い凶日になってしまうので注意が必要です。

    また、歳下食は大食や大酒を慎む日。この日に食あたりをすると、長く患い死に至るといわれます。
    くわえて、時下食と同じように、種まきや俵を開ける、草木を植えることも凶。

    歳下食は、特定の干支の日に配当されますが、この干支は十二支によって異なります。

    年干支日干支
    子年丁丑
    丑年庚寅
    寅年丁卯
    卯年壬辰
    辰年丁巳
    巳年丙午
    午年丁未
    未年庚申
    申年丁酉
    酉年丙戌
    戌年辛亥
    亥年庚子

    選日(せんじつ)

    選日とは、暦注の中で六曜・七曜・十二直(中段)・二十八宿・九星・暦注下段に属さないものの総称です。
    撰日雑注と記すこともあります。

    選日は、一般的に十干十二支の組み合わせによって吉凶を占うもの。
    そのため、その日の干支によって決められているんですよ。

    八専(はっせん)

    八専とは、日干支が壬子(甲子から49番目)から癸亥の12日間(同60番目)のなかで、十干と十二支の五行が同じになる日の総称。

    もう少しくわしく説明すると、十干と十二支に五行を割り当てた場合、五行(干支の気)が重なる日は、全部で12日あります。
    そのうち8日が壬子から癸亥までの12日間に集中していることから、特別な期間と考えるようになったんですよ。

    また、八専の期間には五行が重ならない日が4日存在し、これを「八専の間日(まび)」といいます。

    間日を除く八専の8日間は、五行が重なる比和関係となるため、吉事はますます吉に、凶事はますます凶になるとされてきました。

    しかし、いつの間にか凶の性質が強調され、現在の八専は何事もうまくいかない凶日になっています。
    ちなみに、間日は八専の影響を受けません。

    日干支五行間日
    壬子水水
    癸丑水土間日
    甲寅木木
    乙卯木木
    丙辰火土間日
    丁巳火火
    戊午土火間日
    己未土土
    庚申金金
    辛酉金金
    壬戌水土間日
    癸亥水水

    十方暮(じっぽうぐれ)

    十方暮とは、天地の気が相剋するため、万事がうまくいかない凶日。
    労力をかけることが多いわりに、見返りが少ない日ともいわれています。

    十方暮は、日干支が甲申(甲子から21番目)から癸巳(30番目)の間に該当する10日のこと。
    この10日に、五行の相剋する日が8日も集中しているため、特別な期間と考えるようになったんですよ。

    十方暮のうち、丙戌(23番目)は相生、己丑(26番目)は比和で、本来は間日となります。
    しかし八専の間日とは違い、十方暮の間日は周りにある相剋の影響を受けるため、凶日になるんです。

    十方暮の「十方」とは天地八方を指し、「暮」とは闇をあらわすため、「四方八方が閉ざされた」との意味に。
    このほか、「途方に暮れる」の語呂合わせだという説もあり、期間が10日間であることから「十」の字をあてたともいわれます。

    日干支五行相剋
    甲申木金金剋木
    乙酉木金金剋木
    丙戌火土火生土(相生)
    丁亥火水水剋火
    戊子土水土剋水
    己丑土土(比和)
    庚寅金木金剋木
    辛卯金木金剋木
    壬辰水土土剋水
    癸巳水火水剋火

    不成就日(ふじょうじゅび、ふじょうじゅにち)

    不成就日とは、何事も成就しない凶日です。
    結婚、開店、移転、契約、願い事、芸事はじめ、子どもの命名など、ことを起こす行為はすべて凶。

    不成就日は旧暦の月日で決まり、配当は以下になります。

    1月、7月3日、11日、19日、27日
    2月、8月2日、10日、18日、26日
    3月、9月1日、9日、17日、25日
    4月、10月4日、12日、20日、28日
    5月、11月5日、13日、 21日、 29日
    6月、12月6日、14日、 22日、 30日

    天一天上(てんいちてんじょう)

    天一天上とは、方角神のひとつ・天一神(てんいちじん)が天上に帰る、癸巳(30番目)から戊申(45番目)までの16日間のこと。

    天一神は天と地との間を往復し四方を規則的に巡るといわれ、天一神のいる方角を犯せば祟りがあるとされていました。
    しかし、天一天上の期間中は天一神が天上に帰っているため、方角を気にする必要なく目的地に進めるんですよ。

    また、天一天上には天一神の代わりに不浄を嫌う日遊神(にちゆうしん)という方角神が家にとどまり、家のなかが汚いと祟るんだとか。

    昔から、その年最初の天一天上の際、1日目に雨が降るとそのあと天候が悪くなるといわれました。
    さらに、この日の天候でその年の豊作、凶作を占ったそうですよ。

    三隣亡(さんりんぼう)

    三隣亡は、「高いところへ登るとけがをする」といわれる凶日。

    少し前まで三隣亡は建築関係者の大凶日で、棟上げや土地起こしなど建築に関わることをおこなうべきではない日として忌まれていました。
    三隣亡という字面から、建築事をおこなうと三軒隣まで亡ぼすとされていたんですよ。

    三隣亡は節月(二十四節気の節気で区切る)と日の十二支で決まり、以下のような配当になります。

    日の干支
    1月亥の日
    2月寅の日
    3月午の日
    4月亥の日
    5月寅の日
    6月午の日
    7月亥の日
    8月寅の日
    9月午の日
    10月亥の日
    11月寅の日
    12月午の日

    三伏(さんぷく)

    三伏とは、陰陽五行説をもとにした選日のひとつで、夏至以降の3回目と4回目、立秋後の最初の庚(かのえ)の日を、それぞれ初伏(しょふく)、中伏(ちゅうふく)、末伏(まっぷく)とした際の総称。

    三伏は、旅行、縁談、種まき、新しいことなどを慎むべきとされています。

    一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)

    一粒万倍日とは、何事をはじめるにもよいとされる日です。

    一粒万倍には、「一粒の籾(もみ)が何倍にも実り、美しい稲穂になる」という意味があります。
    そのため、とくに仕事はじめ、開店、種まき、お金を出すことに吉とされているんですよ。

    ただし、借金をしたり、人から物を借りたりすると、その苦労が万倍になるので凶となります。
    浪費、失言、他人を攻撃するなどのトラブルも倍増してしまうので、避けたほうが無難。

    また、一粒万倍日は数が多く、ほかの暦注と重なるケースも多いでしょう。
    吉日と重なれば一粒万倍日の効果は倍増しますが、凶日と重なった場合は効果が半減してしまいます。

    一粒万倍日は、節月(二十四節気の節気で区切る)と日の十二支で決まる以下のような配当です。

    日の干支
    1月丑、午の日
    2月丑、午の日
    3月子、卯の日
    4月卯、辰の日
    5月巳、午の日
    6月酉、午の日
    7月酉、午の日
    8月卯、申の日
    9月酉、午の日
    10月酉、戌の日
    11月亥、子の日
    12月卯、子の日

    犯土(つち、ぼんど)

    犯土とは、陰陽師における神のひとつ・土をつかさどる土公神(どくじん)が土中にいるため、土を犯してはならないとされる日です。

    庚午(甲子から数えて7番目)から丙子(13番目)までの7日間を大犯土(おおづち、大土などとも)、戊寅(15番目)から甲申(21番目)までの7日間を小犯土(こづち、小土などとも)といいます。

    その間にあたる、丁丑(14番目)、犯土間日(つちまび)、中犯土(なかづち)は間日となり、犯土には含まれません。

    犯土には「土を犯す行為」をしてはならず、穴掘り、井戸掘り、種まき、土木工事、伐採、土いじりは一切慎むべきとのこと。
    とくに、地鎮祭などといった建築儀礼は凶となります。

    臘日(ろうにち、ろうじつ)

    臘日は、もともと臘祭(ろうさい)という中国の風習で、年末に猟をして捕まえた獲物を祭壇に供え、神と祖先の祭祀を一緒におこなうというもの。

    この日を年の暮れとしてお祓いをすることもあり、大晦日のことを臘日と呼ぶこともあります。

    臘日の吉凶には諸説あり、採用していない暦も多いです。

    暦はカレンダー・暦注は占い!暦がわかればほかの占いの理解も深まる


    暦はカレンダーに、暦注は占いに用いられるもの

    最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
    今回は、暦の歴史や種類、その日の吉凶や運勢が占える暦注について解説いたしました。

    暦は、時間の経過を年・月・週・日という単位に当てはめて数えたもの。
    これまで太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦などさまざまな暦法が生まれ、改暦が繰り返されてきたんです。

    日本でも、明治時代にそれまで使用していた太陰太陽暦の旧暦から、現代まで使用している太陽暦の新暦へと改暦されました。

    また、時間の流れをみる以外にも、日時や方位の吉凶、その日の運勢がわかる暦注によって、暦は占いにも用いられるようになったんですよ。

    暦注は、占星術をもとに定められたものや、易や八卦などの占術を用いた九星など、占いと密接な関係にあります。
    占星術や易、八卦などの知識があれば、暦注の内容をより正確に理解できるはず。

    ただ、暦を独学で学ぶのは大変ですし、正確な結果を導けるようになるまで時間がかかります。
    手っ取り早く暦注の鑑定が受けたいなら、プロの占い師に頼ってみるのがオススメ。

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    暦注を専門にする占い師もいるので、一度確認してみてくださいね。